名品　鉄地　尾張透かし鍔　「四つ輪違いの図」

黒紫錆の深い地鉄に「四つ輪違いの図」を豪快に透かした鍔でサイズは８０ｘ７９ｘ耳５．５～６．０ 切羽台付近 約４．８ミリです。厚手の角耳小肉仕立てで耳には小粒の鉄骨や線状の鉄骨が激しく表れ大変見所の多い出来となっています。三枚目の画像は笹野 大行先生の名著「透かし鍔・武士道の美」に尾張透かし鍔として掲載されている同様の鍔ですが左右の櫃穴の形状が異なる以外は大変 よく似た作行で書籍の解説に書かれているように透かしに肉を持たせた尾張鍔として少し異風の出来ですが同時代・同一工房の手による鍔と観て先ず良いい、かと思います。競輪場のバンクのような切羽台にかけて一気に肉を落とした地造りは、それだけでも迫力満点で有り、耳の鉄骨と相まった大変 素晴らしい出来の鍔となっています。恐らく室町末～桃山期と思われるこれだけの筋の通った良い尾張古鍔は昨今 中々お目にかかれません。